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トリプルコントローラーの製作

アーケードゲームのコントロールパネルの変更は面倒です。専用パネルを専用配線でゲ
ーム基板と繋ぐ必要がありますし、パネルだけでケース等はありませんから筐体か適当
なボックスにセットする手間もあります。主催者の場合、少しでもラクになる様にゲーム
基板は一枚ずつ全てJAMMA化した上、JAMMA以外の拡張入力も別の共通コネクタで
出してあります。一方、コントローラーの方はケースを製作してパネルをセット、接続はD
サブ25ピンで製作。これはどのコントローラーでも共通でして、特殊操作系の拡張入力も
カバーしています。これらを全てのゲーム基板に共通で使用できる中間ハーネスで接続、
信号線が合う様になっているので基板とコントローラーを繋ぐだけで即プレイ可能になる訳
です。接続の合理化はこれ以上出来ないでしょう。しかしゲームをちょっとプレイしてすぐに
次のゲームに変更するスタイルの主催者としては、もっと簡単にホイホイとコントローラー
を変更したい訳です。プレイ時間よりもコントローラーを持ってきてセッティングする方が長
い事もあるくらいですからね。そこで考えたのが今回のトリプルコントローラーです。

要は一つのパネルで多数の操作系に対応出来ればいい訳です。そこでまず考えるのが、
とにかくパネル表面に多数の入力デバイスを並べる事。主催者は過去にベラボースイッチ
やらローリングスイッチやらを一堂に並べたマルチコントローラーを考えた事がありました。
しかし実現には至りませんでした。理由はパネル全体が大きくなりすぎる事と、それでプレ
イし易いかと言うとそうでもない(そもそもパーツ配置に無理がある)ためです。そこで操作
系を絞り込んで主催者がよく使う物&そこそこ汎用性のある物で考えます。まずベラボー
スイッチの様に本当に専用の物は除外。トラックボールなど大きな物も除外します。すると
1レバー3ボタンとツインレバー、センサーパドルが候補に挙がりました。それをプレイしや
すいパーツ配置のまま3タイプのコントローラーとして使用が出来るパネルにします。

そこでこれをどう言う構造にするかですが、まず考えたのが階段型コントローラー。1段目
が1レバー3ボタン、2段目がパドル、3段目がツインレバーと言う構成。これの特徴は製作
容易と言う事。欠点はパネル全体の奥行きが長くなるとか、高さも高くなるとか。 まあ、
プレイのし易さの点ではまずまずだと思いますが。で、次に考えたのがこれの階段状の
部分を組み替え式にしてプレイ時に使用しない操作系を仕舞っとくと言うもの。しかし組み
換えが面倒だぞ。そこでさらに考えたのが回転式にすると言うもの。実はこれでほぼ決定
していたのですが、回転時にはケースのカバーを開閉しなくてはならずワンタッチとは言
えませんし、可動部が多い構造ですから、その内にガタが出そう。そこで試しにケースを
無しにして、そのまま回転させるデザインを考えたところ、なんかもうこれでいいやと言う
気がしてきた。スマートでは無いがメカっぽいし、何より変更が早い。




デザインも決定したので早速設計に入ります。まずは三角形の回転部分から。レバーや
パドルがぎりぎり収まるサイズで設計しますが、そもそも余裕はあまり無いのでレバーは
メカが小型のLS-56を使用。LS-56の中でもセガサターンのバーチャスティックに使用さ
れている物は一般品よりもレバー軸が短く、よりコンパクトに収まります。まあこの辺りは
ケースに回転部を収納する時は重要でしたが、今となってはどちらでもいい部分か。




次はセンサーパドル。これは以前ゲーム基板用センサー図鑑で紹介したセガのパドルが
最も小型なのでそれを使用。このパドルはセンサー基板が故障しており、記事内で自分
でフォトインタラプタを交換して直しているのですが、修理したセンサー基板では大きくて
収まりません。せっかく修理したのですが、この基板を使用するのはやめて自作の基板
で行きます。更に取り付け方向も変更して何とか収めます。下の写真左は本来の基板と
自作の基板を並べて具合を見ているところ。右は自作の基板を取り付けたところ。




レバーとパドルが決定したので回転部分の三角形を切り出します。次に左右の三角形
を繋ぐLアングルを製作。Lアングルは三角形の角に付けるので角度は60°です。これ
の製作をどうするか悩みましたが、まず90°の物を作り、万力で挟んで60°ぐらいにし
ます。寸法を長めに作っておき、具合のいい部分を切り取って使用します。なお、実際
の切り取りは台座とかの加工が全て完了した時に現物あわせで行います。




次はいよいよ三角形を支える腕木部の製作。三角形部分が回転するとなると配線の引き
出しをどうするかが問題ですが、回転軸をパイプにして中に線を通す事に決定。後、ゲー
ムプレイ時はパネル高さが低い方がいいのですが、回転時にはある程度の高さが無いと
ぶつかって回転しません。そこで回転時はパネルを上に跳ね上げる構造にします。下の
写真左が三角形を支える腕木でハネ上がる部分。写真中が腕木をセットするホルダー、
右がホルダーのサイドに付くカバーです。




腕木部が出来たので次はそれをセットする台座の製作。台座の底の部分はゲームラック
を作ってからはいつも同じ形状&サイズ。下の写真左は製作中の台座と台座用の天板。
右がほぼ加工が終わったところ。例によってハンマーでガンガン叩いて製作。いつもの事
ながら疲れる。2~3ポンドのハンマーがあればもうちょっとラクなんだろうな、と思いつつ
手持ちの小さいハンマー(1ポンドぐらい)で叩いている。





ここで天板上に各パーツを並べて様子を見ます。ピンクのボールのレバーが1レバー3ボタン
のコントローラーになります。(ボタンは置いていません)。グリーンのボールがツインレバー
の部分。ツインレバーの間にパドルが入ります。三角形の内部に互いに干渉しない様に収め
ると写真の配置になります。横幅もイッパイイッパイで何とか台座の横幅内に収まったと言う
感じ。なお、今回ボタンはスペースの都合もあるので薄型のセイミツ製を採用。




パーツ配置の確認が出来たので3角形のケージの製作に入ります。この部分は左右の回転
軸の直線が出ていないとうまく回転しませから、工作としては先にケージを組んでおき、後か
ら腕木の固定に持ってくのがラクと言えます。しかし上の写真の通りケージ内はパーツがカ
ツカツなので、余裕を見てケージを作りたいところですが、そうなると今度は台座に収まらな
い可能性があります。それに今後のメンテを考えるとケージ部分の分解組み立ては容易に
出来る様にしたい。それらを考えると、やはり腕木の位置をまず決めておいて、最後に調整
しながらケージの組み立てを行う方がよさそう。と言う訳で、とりあえず腕木と台座は半分だ
け穴あけ&仮止めを行ってケージの製作に入ります。まずは左右の3角形を接続する金具
を溶接(下の写真左)。続いてコントロールパネル固定用の金具を溶接。ここで60°のLアン
グルを長さを確認しながら切断、2つの3角形を繋ぐとケージ状になりました(下の写真右)。
繋ぐのは溶接では無く、ネジ使用なので分解可能なわけです。




全体のサイズが決まりましたので腕木部の細部の加工をします。最初に横のカバーを取
付けて、次に可動部の支点ピンを取り付け、腕木を可動させてハネ上げ時の左右の角度
を揃えます。更に内部にハネ上げスプリングを組み込んで様子を見るます(これは確認後
分解、最後にまた組み立てます)。最後にプレイ時のパネル固定用のローレットボルトの
取付け穴の加工を行います。これで腕木部の加工が何とか完了。次に台座用天板にコネ
クタとかスイッチの穴を開けます。





金属加工がほぼ終わったので出来たパーツの仕上げを行います。まず台座用天板は
表面にプラスチックシートを貼る事に決定。ただプラスチックシートの場合、板金の厚
み部分はカバーできませんから、まず天板のフチ周りにカッティングシートを貼ります。
次にプラスチックシートを所定のサイズに切断、折り曲げて貼り付けます。次に腕木部
分ですが、こちらは可動部分とかあるしパーツの形も特殊なので塗装にて仕上げ。次
は三角ケージ。このパーツはプレイ中に手で触る部分なので、塗装だとその内に変色
したりハゲたりしてきます。そこでこちらはカッティングシートにて仕上げています。




さあ、いよいよここで組み立てに入ります。組み立て手順は台座用天板と腕木を組み
付け→配線を腕木部分に通しておく→腕木のハネ上げ部を組み立て→三角ケージを
取り付け、この様な手順になります。腕木ハネ上げ用のスプリングが結構強力なので
慎重に行います。いやーなんかアメリカの農場(麦畑)に出てくるコンバインみたいだ。




次はパネルの製作。パネルはいつもなら鉄板一択ですが今回はアクリルを採用。最初
は内部にLEDを付けて発光させようと思っていたのですが、操作デバイスのスペースが
大きく、殆どワキで光るだけ?の様なのでヤメました。透明アクリルはその時のなごり。
アクリル使用と言いましても、そんなに大きくないので強度も問題無いと思いますし、
この部分は回転しますから内部の線が極端にねじれてないか確認出来て好都合です。
パネルを切り出したらレバー、ボタンの位置決めに入ります。手順はまず1レバー3ボタン
部分のレバーの位置を決め、次いでツインレバーの左、パドル、ツインレバーの右と言う
具合に進めます。構造上、1レバー3ボタンのコントローラは左寄りに、ツインレバーは右
寄りになりますが、これを少しでも中心部に持ってくる様にキツキツに詰めます。レバー
基板の凹んだ部分に横のレバーが入り込んでくる有り様。で、レバーの位置はそれなり
に決定したのだが・・・。ボタンがきつかった。ボタン外周パーツの一部円が切れた部分
をレバー基板にかぶせて何とか下の写真ぐらいの配置。主催者としてはもう少し余裕が
欲しい。ツインレバー右があと5mm程度右外側だったら理想の位置だったのだが。




対策としては、ツインレバーのパネルを作り直すか、パドルのセンサー基板を作り直す
かのどちらか。手間を考えるとパネルを作り直す方がたぶんラク。しかしセンサー基板
はどの道コネクタの位置が悪く、修正するつもりだった。だったらまずセンサー基板で
対策してみよう。それで作り直したのが下の写真左。センサー部は前と同じだが、コネ
クタの位置が異なっている。これによりボタンの左側への障害が無くなり、配置に余裕
が出来ました。それで穴あけを行い、最後にパドル用のボタン穴を開けてパネル加工
が完了。残るは配線。本機は後ろ側にロータリースイッチが付いています。これはパド
ルの出力端子切替えで、例えばタイトー系だとレバーの左右入力がセンサー入力にな
っており、他のメーカーだと専用コネクタだったりするのでそれを切り替えます。しかし
よく考えたら1レバー3ボタンコントローラーのボタン配置切替えも必要だと今気付いた。
SNKのアテナやテクモのジェミニウイングはボタン配置が逆なのです。スイッチの裏で
配線の差し替えなどやっておれませんからね。そこで急遽ロータリースイッチを増設。




ついに出来ました。台座の前面にある2つのポッチ(ボタン)はクレジットとスタートです。
下の写真の通り、3タイプのコントローラーとして使用出来ます。





可変は下の写真の通り。左右の腕木横のローレットボルトを緩めて外側に引くとロック
が外れてケージが持ち上がります。そこで回転させて再度押し込み、ローレットボルト
をねじ込んで固定します。変更時間は20秒ぐらいか。




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出来たからには早速プレイ。自作マニアの中には作ること自体を楽しんでいる方もい
ると思いますが、主催者の場合は欲しい物は作るしかないのでとりあえず作るパター
ン。なのでとっとと終わらせたいし、早くプレイしたい。プレイして特に問題が無ければ
メインコントローラーとして使う予定。まずは1レバー2ボタンのゲーム、メルヘンメイズ。

主催者にとってメルヘンメイズはまさに心のゲーム。初めて見た時は斜めスクロールの
綺麗な画面に驚き、アクションシューティングなので敵は弾を撃ってきますが空中では
なくフロアをゴロゴロと転がってきます。しかもその弾はまるでアメ玉。一方マイキャラ
は顔から風船を飛ばしています。ハナ風船で攻撃しているのか?なんてこった!スゴ
イゲームだ!!と驚嘆。しかしよく見たら攻撃はハナ風船ではなくシャボン玉でしたが。
その後業務用ゲーム基板が個人でも買える事を知ると、速攻購入リスト入り→購入。
それ以来ずっと持っている訳です。さて、当コントローラーでメルヘンメイズをプレイした
感想は操作感は特に問題なし。ただアクリルパネルのエッジが立っている為、左手の
下っ側が痛くなった。まあ後でエッジを削っとこう。ちなみに主催者はこのゲームは割り
と得意な方だと自分では思っています。と言っても女王様に勝ったのは一度しか無い
のだけれど。噂では安地があるらしいのですが主催者は知らない。せっかく女王様
に会ったのだから普通に戦っています。と言うか主催者はびっくりの国がお気に入りな
ので多くの場合ここまでは行くのですが、びっくりの国が終了するとなんかもういいやと
言う感じになってしまう。結果女王戦は上達しない。イカンな。ちなみに女王の国のコツ
を申しますと、マップの途中までは敵を倒さず、とっととやり過ごして時間を稼ぐ。後半
の長い一本道はじっくり進むしかありません。女王様との対決は発射されるトランプの
兵隊を蹴散らし女王様を攻撃、この繰り返し。トランプの兵隊はその都度全部片付け
るのが望ましいですが、連続で兵隊を残さなければクリアは可能だと思います。




次はツインレバーのゲーム、クレイジークライマー2。これまた一目見て絶対に買うぞ!
と誓ったゲーム。2は前作に比べてマイキャラの操作性が若干よくなっている。看板は
相変わらず落ちてくるし、コンドルも飛んでくる。しかし植木鉢が落ちてこないのはちと
残念。4面では1面に引き続きゴリラが出てくるけど、こちらは途中下から上がってきて
プレイヤーを追い越していく演出があります(下の写真のところ)。そして上の方で再度
登場するのだが、その時ゴリラが画面から消えない様にピッタリ付いて行けば、2匹の
ゴリラが出てくるかと思ったがバグって消えた様な気がする←(弱気)。なお、このゲー
ムもクリアしたのは数回しかない。コンティュー回数に制限のあるゲームなので、そう
何度もリトライ出来ないし。最終面ではアールデコ調のビルを登るのだが、なんとジェッ
ト戦闘機が撃ってきた。なぜそこまで!と言いたい。話は変わりますが、一人でゲーム
をプレイして写真も撮るのはキッツイ(録画環境は無いのです)。




またツインレバーのゲーム、リブルラブル。実はこのゲーム、リアルタイムでやった事
が無かった。友人がこのゲームは面白いよ、と言っていたので試しに買って見たら・・
実にスバラシイ!こんな昔にこんなに面白いゲームがあったとは・・。独特の操作性、
植物を育てる、妖精を集めて奇跡を起こす、それとマッチした音楽。当時やらなかった
のは画面がなんか地味だったからなのだがイヤハヤ。そんな訳で速攻お気に入りに。
しかしゲームは超ヘタ。3回目の奇跡を見た事が殆ど無い。4回目は一度も無い。でも
ねゲームなんてヘタでも楽しければいいのです。ゲーセンのオヤジもその方が嬉しか
ったはずだ。主催者の場合このゲームは家プレイオンリーなんだけどさ。




またまたツインレバーのゲーム、エンゼルキッズ。実は主催者がこのパネルを作った
のは、1レバー3ボタンのゲームとツインレバーのゲームをとっかえひっかえしたい、と
言うのが大きいです。で、エンゼルキッズですが、主催者の好きなタイプのゲームに
エキシディのサーカス系(風船割り系)があります。セガが作ったサーカスのリメイク
がこれ。多分・・・。風船割りだからパドルかと思いきや、なんとツインレバー。操作は
左右のレバーがトランポリンを持った2人の天子にあてがわれており、どんどん上に
上っていきゴールすればクリア。そう、これはスクロールするサーカスなのです。とか
なんとか言っても実際にはかなりシンプルなゲームで、暇な時ちょっとプレイするの
にピッタリ。ではすごく簡単かと言いますと、そうとも言えないから侮れない。




次はパドルのゲーム、ゴインドル。このゲームはブロック崩し。よくあるアルカノイド
の派生作品。ゲーム性はアルカノイドに比べると玉の動きがやや画一的かも。
しかしその分仕掛けを多くして補っている感じ。しかしこのゲームの最大の特徴は
怪しいと言う事。画面上には原始人らしき者がいてうろうろしている。しかもコイツ
は卵から生まれる。インストの説明では足場を崩して落っことせと言う事らしいが
意味不明。実際落っことした時に自機が弾を発射できる状態だとして撃ちまくって
いると、服が破れてスッポンポンで落ちて来ると言うオマケ付き。また、面によって
は上部にスフィンクスみたいな顔が付いており、コイツに玉を食べさせると一通り
モグモグした後ペッと吐き出してくる。ううむ。このヘンさ加減は逆にグッドだぞ。




次はまたパドルのゲーム、プランプポップ。これは下の写真の通りまさに風船割り。
正真正銘エキシディ、サーカスのリメイクと言えます。先のエンゼルキッズはセガで
すがこちらはタイトー製。このゲームは一見幼児向けの様な画面で、実際幼児向け
かも知れないが元祖サーカスよりだいぶ進化しています。ボーナス面やボス戦もあ
り。ボスは結構ナンセンス。1面では某お釈迦さんみたいなのが頭のイボを飛ばし
てくる。ボスがハゲになるまでイボを破壊すれば勝利。と言うか実際はダメージ制だ
けれど。3面ボスは某コックさん絵描き歌みたいなのだが、突然目がスロットマシン
に??そして口からスカの垂れ幕とか。ボーナス面では食べ物に混ざって鉄アレイ
も降って来るので注意が必要。なんか忍者ハットリくんみたいだ。通常面では風船
が最後の数個になると、下に降りてくる親切設計。フーセン割りは外せない主催者
なのであった。






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